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戦火の生贄
戦場での陵辱劇をテーマにした小説を中心にしています。※18歳未満は閲覧禁止
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糞虫


 がらがらと車輪を鳴らして、村の辻を荷車が通る。
 それ引くは、襤褸を纏った襤褸の様な男。
 背中はひどく曲がり、人として歪極まりない姿。
 男が手に持った鐘を振れば、からんからんという音が異臭を乗せて響き渡った。
 その音に子供等は逃げる様に家に中に駆け込み、大人達は言葉も少なく道の端から侮蔑の目を向ける。
 皆が遠巻きにする中、ある家から老人を背負った青年が荷車に近付いた。
 背負っているのは父親であろうか、青年は男と目を合わせぬ様に幾らかの小銭を渡すと、背負っていた老人を荷車に放り込んだ。
 ごろりと転がった老人から、しわがれた腕がだらりと垂れる、歯の抜けた口は半開きのままに、翅を震わせた小虫が出入りしている。
 それは紛れも無く屍であった、見れば荷車に乗っていたのは何れも人の屍。
 老人、子供、若者に娘、病に朽ちた者、餓えに死んだ者、誰かの手により命を奪われたもの、様々な屍が荷台に乗せられていた。
 屍屋…それが男の生業であった。
 定期的に村々を回っては、屍を請け負い離れに運んで始末する。
 人死にを放っておけば疫病の原因となる故、必要な役目ではあるが、間違っても人に好まれるものではない。
 男が再び鐘を鳴らして歩き出すと、青年は慌ててその場を離れる。
 荷車の上では物言わぬ屍が、がらがらという音に合わせて揺れていた。

 男に名前は無い。
 しかし、村の者は彼を糞虫と呼んでいた。
 如何な父母より命を受けたものか誰も知らず。
 物心ついた時には、一人泥に塗れて地を這っていた。
 そして男は己を知る、己の体が多の者とは違うことを。
 真っ直ぐに立つことも叶わぬ程に曲がった背、怖気を誘う程に歪んだ顔。
 その姿はまるで、毒を抱えた蛙の如き醜悪さ。
 およそ、人と交わり生きて行ける姿ではなかった。
 それでも生まれてしまった以上、糧を得なければ生きては行けぬ。
 幼い頃は、文字通り泥と糞に塗れて泥炭を掘っては、それを村に持って行き僅かな食べ物を得ていた。
 「糞虫だ」
 「糞虫が来たぞ」
 村人達が彼に向ける視線は家畜を見るより冷ややかで、侮蔑や蔑みの言葉と共に石が飛んでくる事すらも珍しい事ではなかった。
 逃げる様に村から帰り、泥と糞に塗れたまま汚れた藁に包まって眠るのが唯一の安寧。
 そんな日々を繰り返すある日、糞虫は病に倒れた。
 意識を保つ事も困難な程の高熱にうなされて、藁の中で震えるだけの糞虫。
 気が付けばその身体は、何者かにずるずると引きずられ、何か柔らかい場所に放り込まれた。
 身体を包むのは、心地よい重さと柔らかさ、そして吐き気を催す様な匂い。
 そこは、村の外れにある屍の穴。
 糞虫は廃棄物として捨てられたのだ。
 黒死病などの疫病は、村にとっては恐るべき脅威の一つである。
 まだ息があろうとこの様な始末を行う事は、特段珍しい事ではない。
 しかし、幸か不幸か糞虫は生き延びた。
 目を覚ましたのは咽返る様な死臭と腐臭の中、それはまるで死肉で造られた腐った子宮の中から、新たに生まれ落ちた糞虫であったか。

 数日振りに姿を表した糞虫を見て、村人達は恐れ慄いた。
 てっきり死んだとばかり思っていた糞虫が現れたのだ。
 しかもずるずると歩くその姿は、以前にも増して醜悪で、その身体に纏わり付くのは吐き気を催すばかりの死臭。
 その姿はまるで、ゲヘナより戻りし屍鬼かの様であり。
 以来、糞虫は屍に対し特別な感情を抱く様になった。
 何処からか荷車を鐘を手に入れ、村々を回って屍を集める。
 特に美しい娘の屍は、糞虫にとって特別なものとなった。
 彼女達は糞虫を恐れない。
 彼女達は糞虫を蔑まない。
 糞虫は彼女等に抱かれて眠るのが好きだった。
 そして、その美しい姿が朽ちて行く様を、見届けるのが好きだった。
 時間と共に柔らかな美貌が蕩け、醜く崩れ堕ちてやがては見る影も無い白骨を晒す。
 しかし糞虫にとってはこれこそが、彼女らと己が同じ生き物であると実感できる時間なのだ。
 美しきも醜きも、肉が腐れ身体の内を晒せば皆同じ姿。
 醜く朽ちる乙女こそが、糞虫にとっての泉の聖女。
 糞虫にとっては、時を忘れる程の至福であった。

 「やだ、糞虫よ汚らわしい」
 小屋の外階段に腰掛けた少女は吐き捨てる様に言うと、汚物を見るかのように眉を顰めた。
 その言葉に、少女を囲んでいた少年達も、一様に糞虫へと侮蔑の目を向ける。
 すっきりと整った目鼻立ちに、意志の強さを表す様にやや上向きへと伸びた眉。
 美しい少女であった、やや鼻柱が強く我侭な面もあるが、14歳という年齢を考えれば、それも伸びやかな彼女の魅力でもある。
 事実、彼女の周りには、いつも年頃の少年達が居て、彼女の気を引こうと躍起になっていた。
 「なあ、聞いたか?あの糞虫の話」
 「何でもな、隣村の頑固爺ィだけどよ、あの糞虫に触れちまったら、あっという間に黒死病で死んじまったらしいぜ」
 少年がおどけた感じに噂話を口にするが、少女にはいささか気に入らなかったらしい。
 「やめてよ気持ち悪い、それよりも、アンタのパンよこしなさいな」
 少女は取り上げるかの様に、少年の手からパンを抜き取ると、それを惜しげもなく放り投げる。
 糞虫の足元、泥濘の中にべちゃりと音を立てパンが落ちる。
 「あーあ、もったいねぇ」
 愚痴る少年に、ふんと鼻を鳴らして糞虫を見下ろした。
 「恵んであげるわ、まさか糞虫の分際で、人様の施しを無駄にはしないでしょう?」
 少女の言葉が聞こえてか否か、糞虫はその場に跪くかの様にしゃがむと、泥に汚れたパンを頬張った。
 「あははは、見てよあれ、さすが糞虫よね、みっともなぁい」
 「けっ、目障りな糞虫だぜ、コイツも喰らいな」
 少女は足をぱたぱたと振って笑い転げ、少年達は悪ふざけと石礫を投げる。
 「あはは、かわいそう、アンタ助けてあげなさいよ」
 「おいおい、冗談じゃない、俺まで黒死病になっちまうぜ、ははは」
 糞虫は人ではない、糞虫は糞虫である。
 糞虫をどう蔑もうが、それを責める人など居はしない。
 荷車を引きずる様にその場を後にする糞虫の背には、嘲笑と石礫が幾度も浴びせられていた。

 それから7日余りが過ぎ、糞虫は再び村を訪れた。
 村々を回る糞虫が訪れるには、余りに早い日順であったが、村はしんと静まり返っていた。
 糞虫を嗤う者もなく。
 糞虫を蔑む者もなく。
 村はただ死んでいた。
 糞虫が村を訪れたのは、その芳しい死の匂いに惹かれた為か。
 家々は焼け崩れ、内に外にと村人達は無残な屍を晒していた。
 野盗の仕業か、それとも戦に巻き込まれたか、何れにせよ糞虫にとってはどうでも良いことである。
 男達は頭を割られ胸を貫かれ。
 幼い子供等は細い首を鶏の様に縊られて。
 女達はその身体を陵辱され殺されていた。
 妙齢と思われる美しい婦人は、荒縄に繋がれて犯されたまま、陰に薪を突き入れられたまま事切れていた。
 花のようであったろう年頃の娘は、首を括られながら陵辱されたのか、汚れきった身体をぶらりぶらりと風に揺らす。
 未だ子供と言っても良い様な幼い少女は、細い四肢を車輪に縛られ未熟な幼裂を無残に引き裂かれていた。
 糞虫はまるで宝の山を見つけたかの如く、無残な屍をそれは愛おしそうに荷車へと運ぶ。
 そして、毒虫はひとつの屍を見つけた。
 道の端に横たわる少女の屍。
 すっきりと整っていた顔は蹂躙の苦痛を張り付かせたまま、伸びやかで小生意気な美しさは失われ。
 決して贅沢な物ではないものの、花咲こうと育つ少女らしさを飾っていた衣服は無残に引き裂かれて。
 手足をだらりと投げ出したまま、まだこれから美しく育つ筈であった身体を晒していた。
 未だ狭い腰骨に小振りな乳房、女と言うには早いが子供でもない身体。
 あの気の強い娘の事だ、余程に抵抗したのであろう、見れば白い肌に随分と痣や傷痕が見て取れる。
 少女の持つ美しさ愛らしさは、もはや永遠に失われしまっていた。

 しかし糞虫にとっては、それこそが何とも魅力的であった。
 少女の屍を見るうち、己の股座に熱い物を感じる糞虫。
 気が付けば硬く上向きにそそり起った歪な根ずくんと脈打っている、幾度と無く愛しい屍に抱かれて眠った糞虫であったがこの様な事は初めてであった。
 糞虫は女を知らぬ…が、どうすれば良いかは、雄の本能が知っている。
 息も荒げに少女の屍へと覆い被さると、小振りな乳房へと舌を這わせる。
 子供から女へと変わる為に膨らみつつも、垂れる事のない固さを保つ少女の乳房、陵辱の跡も痛々しいそれを、舌で味わい歯を立て力任せに握る。
 未成熟な少女にとっては耐え難い程に乱暴な扱いであるが、屍である少女が抵抗する筈も無く、ただ為すがままに小振りな乳房を揺らすのみ。
 糞虫は餓えた野犬の様に息を荒げて、少女の乳房を貪っている。
 力任せに掴んでは捏ね繰り回し、舌を這わしてはその固さと柔らかさを味わう内、何時しか少女の胸はその淡い頂から胸元まで、ぬめぬめとした汚らしい唾液に塗れていた。
 糞虫と蔑まれる汚らしい雄の唾液に汚れる少女、それは益々美しく糞虫を興奮させる。

 そして糞虫はいっそう息を荒げながら、少女の腹から下へと目を移す。
 もとより陵辱のまま投げ出された細い脚は、恥辱の抵抗もないまま、さも簡単に開かれる。
 若萌えとも言えぬ様な、うっすらとした産毛の下、それはあった。
 臓物色の肉襞も未発達な縦割れは、激しい陵辱の為かおよそ少女らしくない形に歪んでいる。
 ついぞ昨日までは無垢のままであったろう少女の証が、無理矢理に開かれ未成熟のままに、ぼこりと孔を覗かせて。
 ぷっくりとしたその秘裂に指を這わせれば、柔らかな縦割れがくちゅりと音を立てる。
 未成熟な、まして屍である少女の秘裂が濡れる筈もない、それは度重なる陵辱の跡、無垢な少女がその胎奥まで汚された証であった。
 糞虫は己の手が血と精に汚れるのも構わずに、少女の秘洞を掻き回す。
 未だ固さを残す未成熟な秘洞は、力尽くに陵辱され事切れたにも係わらず、そこは指を締め付ける程の狭さを保っていた。
 粘る水音を立てて指を引き抜けば、紅と白濁の交じり合った物が糸を引く。
 死と精の交じり合った匂いに、興奮を押さえ切れぬ糞虫は、固くそそり起った己の根を少女の秘裂に押し当てた。
 渇きが水を求めるかの様に、少女の屍を求めて腰を進めれば、ぷちゅりと音を立てて、熱い根が冷たい屍肉に飲み込まれて行く。
 こうして、糞虫は少女の屍に、己の童貞を捧げた。

 醜く歪んだおぞましい生物が、少女の屍の上で一心不乱に腰を振る。
 陵辱の苦痛を湛えたままの少女は、濁った瞳で空を見上げたまま悲鳴を上げる事もなく、ただその身体を揺らしている。
 糞虫の動きに合わせて、細い脚はかくかくと揺れ、小振りな乳房は弾むように揺れる。
 その容姿と同様に醜く歪な根が、冷たい秘肉を割って固い子宮口を叩く。
 どれ程乱暴に腰を叩き付けようと、屍の少女は声を上げる事も無ければ、抵抗することも無い。
 半開きにされた小生意気な唇は、糞虫をあざ笑う言葉も無く、濁った瞳が醜い容姿を恐れる事も無く、ただ糞虫の為すがままに未成熟な身体を揺らすだけ。
 涎を垂らして腰を振る糞虫が、力任せに小振りな乳房を掴めば、骨張った掌の中で、張りのある屍肉が痛々しく歪む。
 そして、糞虫は獣の様な唸りを上げると、一層激しく腰を叩きつけ、冷たい少女の最奥で熱い精を吐き出した。
 まるで臓腑までもが溶け出してしまうかの様な射精に、糞虫は何度も身体を震わせる。
 陰嚢をびゅくびゅくとひくつかせて、既に子を孕む事も無い子宮に、ひたすら途切れなく命の精を注ぎ込む。

 暫し呆けていた糞虫であったが、己の吐き出した汚らしい白濁が、少女の秘裂から溢れるのを見ると、またも己の内に熱いものを感じて、再び少女の屍を貫いた。
 その名の通り、おぞましい虫が屍肉を漁るかの如く、魂無き少女の身体を組み伏せ犯しながら、二十余年もの間、己の内に溜めていた白濁の精を吐き出し、冷たい子宮の中で死と生がどろどろに交じり合った。
 白濁に塗れ、汚れきった少女の屍。
 その魅惑的な姿に糞虫は、この美しい屍が如何に朽ちて行くかと、想いを馳せていた。